京都市美術館で京都市立芸術大学作品展を見る。
この展覧会は京都市立芸術大学(通称「京芸」)のキャンパスと京都市美術館の2会場での開催。他の美大や芸大の卒業制作展や修了制作展とは違って、学部生、大学院生ともに在学生も作品を発表するというのが特徴だ。そこには、在学中から作品を制作し発表するということを意識づけさせようという意図があるらしい。ただ、デザイン関連の学科では個々の創作としての「作品」ではなくテーマを与えられた課題制作がずらりと並んで展示されていたりもする。
京都市立美術館ではこの時期、京都の他の美術系大学でも卒展・修了展が週ごとに入れ替わりで開催されている。今年は京芸しか見ることができなかったのだが、他の学校の展示もスイープ的に見てみたいとなったときには、東京の五美大合同展のような一括開催システムのほうが利便性はあるように思う。あれはあれで膨大な数の学生作品と一挙に対峙(またはスルー)しなければならなくて大変ではあるし、京都ではそれだけのスペースをどーんと確保できないという事情ももちろんあるのだろう。
関西でこのような美術大学の制作展を見たのは今回が初めてだったが、京都ということで東京と何か違いがあるかというと、特別なものは何も感じられなかった。彫刻科のところではオーソドックスな作品の数が少なかったように感じられたが、これは学校の指導方針とか雰囲気とかにもよるものかもしれない。
もちろん関西では最もレベルが高い(と思われる)大学だけあって、全体的に技術的なレベルは総じて高い作品が並んでいたようには思う。
京都市美術館の入口。
彫刻科の部屋。
小さいカラフルなパーツを組み合わせてつくった小立体。フェティッシュ的な感覚が「今ふう」に見えなくもない。
手描き風アニメーションをループで流す映像インスタレーション。モニターが光ってしまって肝心のアニメーションが全然映らなかった。
スパンコールでロゴの部分を刺繍(?)したヤクルトやアマゾンのパッケージ。この材料を生かす方法を広げていけばもっと面白くなると思う。
絵画作品の中ではこの作品が出色だった。モチーフの処理の仕方と空間構成が巧みで迫力がある。
※この展覧会は2月14日で終了している。