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アートフェア京都
京都で初のホテルアートフェアと銘打った「アートフェア京都」が開催された。
いまやひとつのトレンドとなった感もある日本のアートフェア。京都には現代美術のマーケットが存在しないとも言われているが、そこにある新しい流れを呼び込もうという意図のはっきりしたイベントで、その意欲は評価されてよいのだろうと思う。 アートフェアそのものについては、内容的に何か特筆すべき新しいものが見られたわけではないので特に取り上げないが、このイベントについて書かれたインターネット上のニュース記事について一言書いておきたい。何だかとてもがっくりしてしまったからだ。 以下が件の紹介記事。「烏丸経済新聞」というニュースサイトに載っていた。 *** http://karasuma.keizai.biz/headline/1058/ 「京都にいる表現者のために美術業界の中で新たな市場経済を作り、作家を育てたい」という同フェア実行委員会代表・石橋圭吾さんの思いから生まれた同フェアは今回が初の開催となる。京都の現代美術ギャラリーを中心としながら、東京や名古屋など各地方のギャラリーも含み、コマーシャルギャラリーの多い東京と、企画や貸しを中心としたギャラリーの多い京都の美術市場の違いと文化の魅力を紹介する。「京都は狭い街なので縁がつながりやすく、表現者を身近に感じやすい。自分自身の目で面白いものを確かめられ、直接触れ合えることが魅力であることを伝えたい」と石橋さん。 *** 僕が驚愕したのは、「コマーシャルギャラリーの多い東京と、企画や貸しを中心としたギャラリーの多い京都」というくだり。わかる人には説明しなくてもわかってもらえると思うけれど、日本では「企画画廊」というのは展示を通じて作品を売買する「コマーシャルギャラリー」のことであり、「貸し画廊」は美術の展覧会に特化したレンタルスペースのことだ。そもそも並列に論じることのできないはずの2つの業態をひとまとめにして、それが多い京都、などと総括されても何を言っているのかさっぱりなのだ。レンタルスペースでありながら時々コマーシャルギャラリーのような振る舞いをする「半企画」という奇妙な形態もあって、京都では有力・老舗画廊と見なされているギャラリーのほとんどがこの「半企画」だと言われているが、もしもそのことを言いたいのであればはっきりそう書けばいい。 また、そもそものコトバの定義として、コマーシャルギャラリーに対立する存在は公的な美術館やギャラリーであったり、非営利のオルタナティブスペースであったりするわけで、「貸し」であろうが「企画」であろうが「半企画」であろうが、そこで作品を販売する以上は「コマーシャル」と呼ばれるべきだろう。 この記事のもうひとつの問題点は、「コマーシャルギャラリーの多い東京」という稚拙な認識だ。「貸し」や「企画」や「半企画」が多いというのは、何も京都に限った事象ではない。東京の画廊・ギャラリーの大半は、程度の差こそあれ、貸し画廊=レンタルスペースとしての性格を持っている。何百というギャラリーがある東京で、純粋なコマーシャルギャラリーなんてほんの数十軒しか存在していないはずだ。 このあたりの基本的認識の正確性を期すことなく無批判な紹介記事を書いても、美術市場にとっては何のプラスにもならない。残念ながら。
by hrd-aki
| 2010-05-11 06:58
| 雑感
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