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「甘い雨」展
ソウルの世界遺産のひとつチャンドックン(昌徳宮)のすぐ隣にあるINSA ART SPACEで、韓国人インスタレーション作家Jungki Beak(ペク・ジョンキ)の個展「SWEET RAIN」を見た。
ペク・ジョンキは京都・久世のstudio90のアーティスト森川穣氏のロンドン留学時代の友人で、今回の個展も森川氏から教えてもらい、最終日にようやく時間を見つけて滑り込みで見に行った。 「SWEET RAIN」という展覧会タイトルは、韓国語の「タンビ」という言葉を文字どおり英語に翻訳したものだという。「タンビ」はハングルで書くと단비。「甘い雨」、日本語で言うと「恵みの雨」「慈雨」といったところで、天候に左右される農村の暮らしの中から出て来た言い回しだ。 ペク・ジョンキの今回のインスタレーション展示は、この「甘い雨」を視覚的・物質的に再現するというのがコンセプトの展示だった。ギャラリーの入口でレインコートとビニール傘を借り、完全防備でいざ地下の展示室へ。 傘を開いて入った展示室内は部屋全体が雨漏り土砂降り状態。というより天井から雨が降り続けている。そしてその雨を手に取って舐めてみると、ほんのり甘い。 大量の砂糖を大量の水に溶かし、ポンプで展示室の天井裏に流し込み、天井に開けた無数の穴から水が、つまりは甘い雨が降ってくるという、コトバにしてしまうと単純な仕掛けで、「甘い雨」を実現している。ギャラリーの2階がポンプ室になっていて、展示室の壁沿いの床にはきちんと排水溝もつくられている。 「甘い雨」を視覚化するということだけのためにこれだけの大掛かりなシステム(設置に1週間、展示に2週間、撤去にさらに1週間かかるらしい)を組んでしまうというのは、実現しただけでもあっぱれな展示だと思う。まあバカらしいと言えばバカらしいけれど、こういうバカらしさも現代アートには間違いなく求められている。もっともっと巨大な規模でやったら、迫力のある面白い展示になるだろう。 会場のINSA ART SPACEは韓国文化芸術委員会(Arts Council Korea)という組織(日本で言うと文化省の外郭団体みたいなもの?)が運営しているパブリックギャラリーだ。公的な機関でこういう展示プランを許容するというのはなかなか勇気がいることのはずで、こと現代美術に関しての日韓の彼我の差を感じてしまう。あるいはあまり考えてないだけなのかもしれないけれど。 ペク・ジョンキのブログで過去の作品の映像なども見ることができる。自らの火傷の体験から、水をキーワードに作品を展開してきていることがわかって、なかなか興味深い。 http://jungkibeak.blogspot.com/ 「SWEET RAIN」展はすでに終了。
by hrd-aki
| 2010-06-17 16:57
| レポート
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