白い紙に白いインクの盛り上げ印刷で真っ白な展覧会DMが届いた田中朝子の個展「rooms」(大阪・ギャラリーノマルにて)。
世の中に氾濫するイメージのズレや隙間に「おかしさ」(funnyとstrangeの両方)を見つけて、それを作品化していく作家・田中朝子。もともと版画から出発している作家だが、そこから写真、さらにはオブジェやインスタレーションへと表現を展開してきている。今回の展示は展覧会タイトルの示す通りギャラリー空間そのものをひとつの間取り図に見立て、そこに含まれる様々な要素やそこから連想されるものたちを視覚化して並べていた。
空間インスタレーションと呼んでもいいような三次元的な構成なのに、「平面作品」の展示を見たような印象だったのは、まさに「間取り図」という平面を立体に起こすことがそもそも意図されていたからだろうし、反復とか複写とか転写といった「版」の表現との関連性がほとんどの作品に見られるからだろうとも思う。なんとなく「ドラえもん」のひみつ道具「立体コピー紙」を思い出した。そういえば作品のひとつには「どこでもドア」からの引用で「wherever window」(どこでも窓)というシリーズ名がつけられている。
無印良品のソファを70%に縮小した作品なんかも面白いけれど、個人的には「いちご模様」という作品がとても気になっている。
彼女にはソウルのHyun Galleryでのグループ展「余韻/響き〜日本の写真作家3人展」(2009年)に参加してもらった。その展示の詳細は
こちらから。
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田中朝子展「rooms」
http://www.nomart.co.jp/index.html
※展示は11月13日まで