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京都・鞍馬口の現代美術ギャラリーHRD FINE ART(www.hrdfineart.com)のディレクターによるアート関係諸々ブログ。時にはアートと無関係な話題もあります。気が向いたら更新。
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ウフィツィ美術館自画像コレクション展

大阪・中之島の国立国際美術館で開催中の「ウフィツィ美術館自画像コレクション」という展覧会を見た。フィレンツェのウフィツィ美術館から、アーティストの自画像ばかりを集めたコレクションの巡回展。東京・新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で開催された後、大阪に巡回してきた。

17世紀にメディチ家出身の枢機卿レオポルド・デ・メディチが画家の自画像を集め始めたのがコレクションの始まりで、1980年代からは美術館創設400年の記念事業として自画像寄贈(を依頼する)プロジェクトも始まり、現在はコレクションの自画像点数は約1,700点にまで拡大している。そのうちの70点あまりが今回の展覧会のために来日した——というのが概要だ。

バロック期から現代アーティストまで、時系列的に並ぶ自画像の数々はアーティストの自意識のありようをそれぞれに窺わせて、なかなかに興味深いものがある。イタリアの美術館だけあって、作家のラインナップもイタリア人の比重が重いように見受けられたが、作品として面白いのは何と言っても現代の作家たちのコーナーだった。ルチオ・フォンタナ(この人もイタリア人だ)など、画面に「Io sono Fontana」(私はフォンタナだ)という文字を書きこんだだけの小さなドローイングを「自画像」として寄贈していて、前衛芸術家の矜持のようなものが感じられる。アントニ・タピエスの自画像も、図像的にはとても自画像とは呼べないような抽象的な画面で、顔や体の暗示さえなく、タピエスの他の作品と並んでいたとしても全く区別がつかない。「自画像」というタイトルだけが、これが自画像であることを担保している。

他に個人的に気に入ったのは、ナビ派のモーリス・ドニの「家族といる画家の自画像」。平和で穏やかで控えめな雰囲気が、「オレ様」的な自我の発散になりがちな自画像としては異質で印象的だった。

自画像という切り口で美術史をいわば輪切りにすることで、美術/絵画が近代以降現代にいたるまでどのような展開・転回を見せてきたのかがわかりやすく示されているとも言える。そんな美術史通史的な視点を一般の鑑賞者がどれだけ咀嚼できるのか、イメージ主体の展示からだけではかえって「現代美術はわけわからないもの」という印象を強めるだけなのかも、と思わなくもないけれど。

この展覧会は東京大学美術史学研究室とウフィツィ美術館の共同研究の成果という位置づけもあり、僕の大学時代のゼミの指導教官だった小佐野重利先生が日本側の監修者を務めている。見に行くまで全く知らなかったのだけれど、なんとなくなつかしくなった展覧会でもあった。

ウフィツィ美術館自画像コレクション展_a0123573_19335757.jpg

***

展覧会は2月20日まで。
http://www.asahi.com/event/uffizi/
by hrd-aki | 2011-02-06 19:39 | レポート
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