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〈DEMADO PROJECT〉たまてばこ堂/オープニング・レセプション
11月19日からDEMADO PROJECTの第4回の展示「たまてばこ堂」が始まっている。
19日のオープニング当日は京都は朝からあいにくの雨。しかも結構しっかり降っていたのだが、オープニング・レセプションのはじまる夕方には幸いなことに雨も止み、HRD FINE ARTのオフィス(と居間)がいっぱいになるくらいの人にお集りいただくことができた。 ワインと簡単な軽食でささやかなおもてなし、熊本から設置にやってきた作家の川嶋久美を囲み、話もあちこちと飛び回って楽しい会になった。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。 *** 今回の展示プロジェクト「たまてばこ堂」は、前回のブログでも書いたように、いろいろな人の最高の思い出を集め、それを川嶋がつくる「たまてばこ」に封入する。さらにそれが他の人の手に渡ることによって、「目に見えない」記憶の交流を生み出す、ということが意図されている。 架空の商店「たまてばこ堂」のショーウィンドウで現在展示されている「たまてばこ」にも、実際にすべて誰かの「一番の思い出」が封入されている。もちろん、作家自身もその内容を見てはいないので、何が書かれているのかを知っているのは書いた本人だけ。そして、書いた本人は自分の「思い出」がどの箱に入っているのかを知ることもない。オープニング・レセプションに来ていただいた方々からも「思い出」の提供をいただいたが、これは新たにつくられる「たまてばこ」の中に納められ、今回とはまた別の機会(「たまてばこ堂第2号店?」)に展示・販売されることになる。 「たまてばこ堂」では「たまてばこ」を1,000円で販売しているのだが、「思い出」を提供した人だけが購入できるという条件にしているので、「購入」というよりも「交換」と呼んだほうがより正確かもしれない。封印には作家のサインと通し番号をつけて、マルチプル作品としての性格も持たせている。 アート作品を買うと、それをどのような時・季節に、どのような状況で(どの展覧会で?)、どこで買ったのか(どのギャラリー?)、といったことの記憶がその周囲に漂うことになる(もちろんそんなことはすっぱり忘れてしまうケースもあるだろうが)。これはアート作品に限ったことではなく、お土産や本やその他の何でも同じことが言えるのだが、「たまてばこ」の場合、そういった外的要素に加えて、自分が書いた「一番の思い出」という「内的要素」が、間接的に、しかし常に密着して存在し続けることになる。自分の思い出は別の箱に入っていてここにはないにもかかわらず、だ。見知らぬ他人の思い出が入った「たまてばこ」を持ち続けることで、自分が書いた「一番の思い出」が(一言一句正確にではないにせよ)鮮明に意識の中に残り続けることになる。 何か非常に不思議なことが起こっているように見えるのだが、それほど奇異な現象ではないのかもしれない。 というのも、「記憶」とは本来とてもあやふやで曖昧なものだ。昨日会った人がどんな服を着ていたか、正確に思い出すのは至難のわざだろう。だから我々は、写真や日記やお土産や記録に頼ったりするのだが、それは「記憶」そのものとはかけ離れた「もの」あるいは「情報」にすぎない。素晴らしい出来事を体験して、「このことは一生忘れない」とそのときには思っても、あとになってみれば別のどうでもいい出来事の細部(何年も前に訪れた外国の空港で、目の前でスーツケースにつまづいて見事に倒れたどこかのおじさんのセーターの柄とか)のほうが鮮明に憶えていたりする。 川嶋久美のこれまでのインスタレーションやワークショップでも、記憶や想像(あるいは空想)に対する視点が基本になっている。川嶋が作品ファイルに記した言葉がとても示唆的だ。「美術の時間、私は紙が真っ白なままでいることが長い子どもでした」。本来目には見えない頭の中の働きを、ある一定のルールで視覚化し、提示する。そのときに働く感情や、思い描いたものと実際にかたちになったものとのズレや違和感を認識することは、我々が普段当たり前に捉えている「見ること」や「思い描くこと」の当たり前さを鮮やかに揺り動かしてくれる。 *** 展示は12月28日まで。 DEMADO PROJECT「たまてばこ堂」のウェブページ http://www.hrdfineart.com/demado/04tamatebako.html 「たまてばこ堂」プロジェクトへの参加にご興味のある方はinfo@hrdfineart.comまでメールにてご連絡ください。
by hrd-aki
| 2011-11-28 18:36
| ギャラリー
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