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タクシードライバー・イン・ソウル
栗原亜也子が参加している韓国・ゴヤン市のアラム美術館でのグループ展のオープニング・レセプションに参加するために6月に韓国を訪れた。
写真はアラム美術館のグループ展「Heritage 600 Tomorrow 600」の栗原の作品展示の様子。観客参加型の作品もあり、横浜のBankARTのアーティストスタジオと韓国をつないでインタラクティブに制作した作品も8月に入って追加されているので、今では展示の様子はオープニング当時からはだいぶ変化している。 ところで、今回はこの展覧会の話ではなく、滞在中のソウルで乗ったタクシーのドライバーの話が面白かったので、アートとはあまり関係ないけれどそのことについて書き留めておこうと思う。すでに2カ月以上の時間が経過して記憶がだいぶ色褪せてしまっているのだけれど、思い出せるだけのことを書いておこうと思う。 イテウォンでタクシーをつかまえて、マポにあるホテルまで走ってもらった。行き先の指示を韓国語でやったので、どうやら普通に韓国人だと思われてしまったらしく、何か話しかけてくるのだけれどちょっとわからない。日本人だから韓国語わからないんですよ、と告げると、韓国語うまいし(いや、そんなことはない)、顔も日本人らしくなくて韓国人っぽいから(よく言われるけどそうなのか?)韓国人だと思ったよ、などなど定番の挨拶から、ソウル暑いでしょう、いや、日本ももっと暑いですよ(ちょうど関西が猛暑に見舞われていた時期だった)、観光ですか? いや、仕事で、といった感じで当たり障りのない世間話を簡単な韓国語でしていて、どういう話の流れだったか忘れてしまったのだけれどもいつの間にか日韓関係の話になった。 細かいパーマをかけた長髪というロックな(?)外見のドライバー氏の話をざっくりと(多少の脚色付きで)まとめると次のようになる(もちろん僕の韓国語聞き取り能力は甚だ心もとなく、確実に理解できるのは20%ぐらい、30%は類推と推測で補い、50%はさっぱりわからない、という程度なのだけれど、何を言おうとしているのかはわりとはっきりと伝わってきた)。 「ほら、安倍とかがいろいろ言われてるけどさ、あとトクトとか、いろいろ問題になってるけどさ、日本人も韓国人も基本的には同じだと思うんだよね、オレは。どっちにも悪い奴もいるし、いい人もいる。オレも日本人の知り合いがいるけど、とてもいい人たちだよ。実際に会って話をしてみないとわからないよね。だからさ、日本人だからダメとか、韓国人だからいいとか、そういうのはおかしいと思ってるんだよね」 本当はもっといろいろしゃべっていたと思うのだけれど、僕の能力では残念ながらこのくらいしか再現できない。もちろん、韓国語をちょっと話す日本人客に対するリップサービスという面も多分にあったのかもしれないけれど、彼のような公平なものの見方は僕がこれまで何回も韓国に行って出会い話をしてきた韓国人たちから感じるおおかたの皮膚感覚と共通するものだったので、とても自然に聞こえたのだった。何か無理して言っているような感じもしなかった。なによりも、こういう言葉を、英語も日本語も話せない、おそらくそれほど学歴が高いわけでもない、市井の韓国人から韓国語で直接聞くことができたのは初めてのことだったので、とても強く印象に残ったのだ。 よく考えると彼はごくごく当たり前のことしか言っていない。でもなぜこんなに強く印象に残ったのかを考えてみると、韓国の人は日本に対して常にバイアスのかかった見方しかしないというステレオタイプに僕自身が知らず知らずのうちに流されていたということなのではないかと思い当たった。上にも書いたように僕は韓国人の友人も多いし、彼らの多くがどういう考え方なのかも大体はわかっているつもりだけれど、そういう実際の実感とはかけ離れた、メディアによって植え付けられた硬直的なイメージみたいなものが自分の中にもどうしても入り込み、育ってしまう。 それを自然なかたちで気付かせてくれたソウルのタクシードライバー氏には、よほどの偶然でもなければもう二度と会うこともないだろうけれど、「ありがとう」と言いたい気分なのだ。 写真は別のタクシードライバーさんの後ろ姿(本文とは無関係)。 *** 栗原亜也子が出品している「Heritage 600 Tomorrow 600」展は、ゴヤン市・アラム美術館にて8月25日まで。 http://www.artgy.or.kr/Foreign/english/aram/current_exhibition.html
by hrd-aki
| 2013-08-09 00:30
| 雑感
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