「FLOATING」展の初日は台風も関西に接近しつつあった10月21日土曜日。この日、オープニングレセプションとアーティストトークを開催した。
「FLOATING」は荻野夕奈と田中加織の2人と、韓国人アーティストのチェ・ユンジョンの3名による絵画作家3人展。作品の見た目やコンセプトなどに特に強い共通点があるわけではないが、3人ともに80年代前半の生まれで10年ほどの作家キャリアがあるということ、そして女性であり、具象的な絵画を中心に活動しているということが共通点となっている。逆に言うと、そうした共通項をベースに、背景となる出身地や文化、描いているモチーフやメディアなどによる差異を炙り出して、そこから「絵画」というメディアの面白さを解き明かしていくことがこの展覧会の狙いなのだと言えるのかもしれない。
実際、展示された作品を見ていると、作風も主題も三者三様、全く違っているのに、どことなく互いに親和性があるようにも見えてくるという不思議な感覚がある。このあたりは実際にギャラリーで実際の作品を見て体感していただきたい。
それぞれの作家についての詳細は会期中このブログでも追って紹介していこうと思っている。
レセプションに先立って開催したアーティストトーク(主催:鞍馬口アートインスティテュート)は、「10年前、現在、10年後」をテーマに、作家活動のこれまでを振り返り、これからを展望するというような内容だった。
3人のアーティストはいずれも10年前はまだ学生で、そこから作家としての活動をスタートさせ現在に至り、そして今後もそれを展開・継続させていこうとしている。環境や気持ちの面も含めて、この10年間で変化したこと、変わっていないことなどについて、普段はなかなか聞けないような興味深い話がいろいろと飛び出していた。
アーティストトークの様子。
オープニングレセプションの様子。