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清州訪問記 (2)(1)からのつづき 翌日は日曜日。 まずはジュノが経営する多目的スペース「ガラムシンジャク」に立ち寄る。基本的にはカフェバー的な場所だが、展覧会ができる小さなギャラリースペースも併設していて、2階にはレクチャールームやオフィススペースもある。1階のカフェでは音楽のライブを開いたりもするらしい。総合的な文化ハブとして展開していこうとしているようだ。寺島みどりと南條敏之の作品が飾られていた。 「ガラムシンジャク」の外観 寺島みどりの作品 南條敏之の作品 その後、ジュノと一緒に「椒井薬水原湯」(チョジョンヤクスウォンタン)という温泉に立ち寄る。世界的にも珍しい炭酸泉の温泉とのことで、朝からたくさんの地元の人が訪れて賑わっていた。ここでは垢すりを人生初体験した。 「椒井薬水原湯」の外観 次に訪れたのが「Schema Art Museum(シェマ美術館)」。清州出身の有名画家、キム・ジェグァン氏の個人美術館だ。韓国は、成功した美術作家が自らの美術館を建てるというケースが少なくないように思う。訪れた時はちょうど開館10周年記念展でキム氏の個展が開催されていたが、普段は様々なテーマでのグループ展なども企画開催しているようで、地元に文化的な還元をしようという明確な意図が感じられた。 昼食後、昨晩会ったジョ氏のスタジオを訪れた。あいにくと本人は不在だったが、このエリアはいわばアートを通じた地域再生プロジェクトの舞台となっているようで、色鮮やかな壁画が楽しい。ジョ氏もこの場所で様々なアートプロジェクトや展示、ワークショップなどを行っている。 ジョ氏のスタジオの建物。屋根に注目(瓦ではなくコンクリート的なものでできている) カラフルな壁画が点在している そして、ソウルに戻る前に最後に立ち寄ったのが韓国国立現代美術館、通称「MMCA」の清州分館。昨年12月にオープンしたばかりとのことで、建物も新しく、そして敷地内はまだ工事が続いていた。 清州市が招致して実現したこの分館は、基本的には作品収蔵施設としての機能がメインになるようで、1階部分では「OPEN STORAGE」、つまりそのものズバリ「開放収蔵庫」というタイトルのコレクション展が開催されていた。まるで作品収蔵庫のレイアウトをそのまま再現したような展示空間のデザインで、他では見たことのないユニークな見せ方にちょっと度肝を抜かれた。上階では企画展示も開催されていたが、あまり時間がなかったのですべてを見ることはできなかった。 それにしても、ソウルのMMCAもそうだが、ここも建物の規模がかなり大きく、館内空間も悠々とした広さが確保されている。 国立現代美術館清州分館の外観 「OPEN STORAGE」の展示 *** 日本全国、様々な地方都市を訪れてきた。交通網の発達と画一化した都市開発計画のせいで、特に中心部は一見どこに行ってもほとんど同じように見えるが、少し時間をかけて滞在すると、その土地の風土や歴史、人々の気質など、襞の奥に隠れていた特殊性が垣間見えるようになる。 韓国は文化的にも政治経済的にもソウルの一極集中が言われていて、実際すべてがソウルを起点に動いているという実感がある。文化面でソウルに拮抗することができるのは釜山ぐらいのものだろう。僕もこれまでの滞在はソウル市内およびその近郊がほとんどで、短い旅行以外で地方都市を体感したことはあまりなかった。 しかし今回、ジュノのおかげで清州という街の文化的な側面をじっくりと見る機会を得たことで、地方から生まれる動きが一種のノイズとなり、固定化した画一性を揺るがせ、文化的生態系を豊かにする潜在力を秘めているのではないかと感じることができた。もっと簡単に言うと、「いろいろ違うものがあったほうが面白い」ということだ。 東京でなくても、そしてソウルでなくても、できることはまだまだいっぱいあるようだ。清州も近いうちにまた訪れたい。 清州の街のマンホールには「直指」の文字 *** (本稿は会話の内容など記憶をもとに記述しているので、事実関係やデータが正確ではない可能性があります。)
by hrd-aki
| 2019-08-10 04:17
| レポート
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