新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、文化芸術の分野でもあらゆる活動がストップしており、さらに政府の無能無策により出口が全く見えず、再び活動が再開できる見通しは立たないという最悪な状態に陥っている日本。
京都の片隅でささやかな活動を続けてきたHRDファインアートも例外ではなく、2020年に予定していた展覧会はすべて「未定」「白紙」という状態だ。小さくて身軽なギャラリーなので、いざ再開となればすぐにでも動き出せるのだが、展覧会はギャラリーだけでできるものではなく、アーティストにも準備期間が必要となり、日程の調整も必要になる。現実的な判断として、おそらく今年中にギャラリーでの展覧会を再開することはできないだろうとも考えている。
そうした状況なので、当面はギャラリーでの展示に代えてウィンドウギャラリーでの作品展示をシリーズ的に展開し、このブログでもご紹介していこうと思っている。「Demado Quarantine Project」とでも名付けようか。
今展示しているのは栗原亜也子の作品《Chat with BankART》。
タイトル:《Chat with BankART》
サイズ:50x50cm
技法:アクリル/アクリル板、アルミフレーム
制作年:2013年
「Mind Games」のシリーズの一作だが、韓国・ゴヤン市のアラムヌリ美術館で2013年に開催された展覧会「Heritage 600 Tomorrow 600」に出品するために制作されたもので、横浜のBankARTのスタジオで公開制作された。来場者がオセロゲームの進行の要領でコマ(スタンプ)を置く場所を指示し、それに従って作家がスタンピングを行った。観客とのコラボレーションによって生まれた作品だ。
こちらはBankARTでの制作の様子。
こちらはアラムヌリ美術館での展示。左端が本作品。
人が動かないこと、人と会わないことがウイルス感染拡大抑制の最大かつ唯一の方策であるとされる中、この作品を見るためにお出かけいただくことは正直おすすめしないが、たまさか何かのついでにギャラリーの前を通ることがあったりしたらちょっと立ち止まって眺めてみていただければ、と思う。
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アーティスト情報:栗原亜也子