築90年超の2階建ての町家を改装してギャラリーとして営業しているHRDファインアート。ギャラリースペースは1階のみで、2階は以前はペインターの冬耳がスタジオとして使用し、制作を行っていた。冬耳と寺島みどりの二人展
「ヤミ」に合わせて、オープンスタジオ展を開催したこともある(2016年のオープンスタジオについては
こちら)。
2018年からはスタジオは空室となり、2階スペースもほぼ作品倉庫兼資材置き場と化していたのだが、ギャラリーを訪れる人からはここをレジデンスとして運営してはどうかという声もちらほらといただいていた。こちらとしてもやりたい気持ちは常にあったし、構想もあった。しかし、HRDファインアートは展覧会も不定期、オープンの曜日も限定的で、僕も常駐できるわけではない。管理面や安全面でクリアしなければならない問題は少なくない。
で、なかなか踏み切れずにいたのだけれど、今回、「精神の風景 ・○▲□」展の開催にあたって熊本在住のアーティスト原口勉が京都での滞在制作を希望したこともあり、テストケースとして、レジデンスのプログラムを試運転的にスタートしてみることにした。
原口勉の滞在期間は3月の1か月間。京都の歴史や風景などを取り込んだ新作の制作に取り組んでいる。「精神の風景 ・○▲□」の会期末にオープンスタジオを開催し、その新作を展示公開する予定(詳細はまた追ってこのブログでもお知らせする)なので、乞うご期待。
今回のテストケースがうまくいけば、そろりそろりと次の展開も動かしていきたいと考えている。とはいえ、住環境的な面での設備・備品は十分とは言えない状態なので、公式なレジデンスプログラムとして公募などを行うことは今のところ想定していない。あくまでも知人・友人の範囲内で、展覧会開催などのプロジェクトに絡めての滞在・制作・調査研究などの目的に限ることになるだろう。
もちろん現在はコロナ禍で移動に制限があり、人と人の交流もなかなか難しいので、実際に試運転から本運転に移るまでにはしばらく時間がかかるのではないかなとも思っている。のんびり、じっくり体勢を整えていくことにしよう。
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追記(2021.3.19):オープンスタジオについての情報は
こちらから。