HRDファインアートでは、9月2日から10月2日までの会期で鈴木崇の個展「Are you my echo.」を開催します。HRDファインアートでは作家の初の個展となります。また、本展は「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント「
KG+ 2021」の参加展覧会です。
鈴木崇は1971年京都生まれ。米国ボストンのアート・インスティテュート・オブ・ボストンや、ドイツ・デュッセルドルフのデュッセルドルフ芸術アカデミーで学びました。
鈴木崇の制作は視覚を通した「知覚」と「理解」の関係性をテーマとしています。現実に起きている現象と、それを捉えたイメージとの誤差やズレ、それによって引き起こされる人間の意識の揺らぎを、写真を起点に、しかし写真というメディアにとどまることなくオブジェや映像なども用いて、重層的に提示しています。
本展は、あるひとつのキーワードを設定し、それに基づいて展示会場全体を実験的なモンタージュ空間として捉えて構成するという、鈴木が近年取り組んでいる手法による展示となります。今回のキーワードとなるのは「エコー」。築90年超の町家建築を用いたギャラリー空間に、エコーという現象と概念(コンセプト)が輻輳的に響き合う空間が創出されます。
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《アーティストからのメッセージ》
私は近年、作品を作るときに浮かんでくるアイデア同士をモンタージュしていくことに強く関心を抱いている。
それぞれの作品は思考する中で生み出された断片であり、それらのイメージやパターンは衝突しながらお互いに干渉して、点から線そして面となり最後には何らかの形となっていく、そういったものであって欲しいと思っている。
同時にそれぞれのイメージとイメージの間には、私が意図しているものよりも偶然性が優先された相乗作用が存在することを期待している。
(鈴木崇)