先週木曜日(10月7日)から、ベルギー人アーティストのゲリー・デ・スメットによる個展「意図せぬ因果関係」がHRDファインアートにてスタートしています。10月2日に終了した鈴木崇個展「Are you my echo.」に引き続き、この展覧会も「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭」のサテライトイベント「KG+ 2021」の参加展覧会です。
ゲリー・デ・スメットは1961年アントウェルペン(ベルギー)生まれ。現在はベルギーのヘントを拠点に精力的な活動を展開しています。その制作は絵画から陶器などの立体、インスタレーション、パフォーマンスまで多岐にわたります。現代の私たちを取り巻く政治的・社会的・経済的な問題や事象を取り上げながら、時にショッキングでダークな、そして時にユーモラスな表現の作品を生み出し続けています。
日本では初の展覧会となる本展では、かつてナチスドイツが様々なデザインに取り入れたことでスティグマを背負ってしまった欧州古代の文字「ルーン文字」と、ナチスを崇拝する現代の極右勢力が嫌悪するLGBTQやBLMを想起させるようなポルノグラフィーの写真を合体させた作品を展示しています。異なる意味性を帯びた図像を融合し重ね合わせることによって、私たちを取り巻くイメージの暴力性や誤謬を剥き出しに露呈させることを試みた作品群です。
会期は11月27日まで。KG+終了後も1か月以上続きます。
なお、本展の展示作品には、作品の性質上、性的に露骨な表現も含まれます。個人の責任と判断でご観覧ください。また18歳未満の方の観覧は原則禁止とします(保護者の同意および同伴のある場合はこれに限りません)。会場内での写真撮影も原則禁止といたします。