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「意図せぬ因果関係」のこと (1) 開催までの経緯HRDファインアートで現在開催中(11月27日まで)のゲリー・デ・スメット個展「意図せぬ因果関係」について、いくつかのことを備忘的に書き留めておこうと思う。長くなるので3回に分けて投稿する。 *** ゲリー・デ・スメットとの出会いは8年前の2013年秋に遡る。場所はモスクワ。 第5回モスクワ・ビエンナーレの関連展(スペシャルプロジェクト)として開催されたグループ展「Roots, Growth - Us」に、安喜万佐子や林ケイタ、森川穣ら京都を拠点とするアーティストのグループ「IPP」(Inverse Perspective Project)が参加・出品することとなり、(細かい経緯は端折るけれど)そのサポート役、コーディネーターとして現地に同行した。そして、同じグループ展の出品作家の中にゲリーもいて、挨拶をかわした、というのが最初だった。実は実際に顔を合わせたのはその時が唯一で、それ以降はSNSやメールなどでやりとりしながら今に至っている。 この「Roots, Growth - Us」展は、友人のロシア人キュレーター、アンドレイ・マルティノフと日本人アーティストの小川真由子さんが共同キュレーターを務め、日本やロシア、スペイン、ベルギーなど様々な国の作家が参加する国際色豊かな展覧会だった。会場はモスクワの国立現代史博物館。このときのゲリーの作品は、コンフェッティ(小さな紙吹雪)を使って展示室の床面に旧ソ連の「鎌と槌」の巨大なエンブレムを描き出すという作品で、ロシアで、モスクワでこれをやりますか、と感心した。 「Roots, Growth - Us」展のゲリーの作品(ゲリー・デ・スメットのウェブサイトより)。 その後、日本でもゲリーの展覧会をやろうかという話になり、(細かい経緯は端折るが)2020年春にHRDファインアートで個展を開催する計画を立てた。京都国際写真祭KYOTOGRAPHIEのサテライトイベントであるKG+への参加を想定して、ルーン文字とポルノ写真を組み合わせた新作を展示することになった。フランドル(ベルギーのオランダ語圏地域)の地方政府から渡航費などの助成金も得られることになった。 そして、2020年。新型コロナウイルス感染症のパンデミックがあっという間に全世界に広がった。日本でもダイヤモンドプリンセス号の失態や国境封鎖の遅れで感染が広まり、ステイホームとソーシャルディスタンスが叫ばれ、アベノマスクなどという愚策が国民に襲いかかり、国内どころか国内でも移動に制限がかかる状況になっていった。ゲリーの展覧会の前には、韓国ソウルのSpace O’NewWallとの共同企画による韓国人作家キム・ユンソプの個展も3月〜4月に予定していたのだが、直前に延期を決断することになった。そして、ゲリーの個展も、その当時はヨーロッパで感染が爆発的に広がり多くの死者が出ていたこともあり、延期を余儀なくされた。 これは当初のスケジュールで作成していたポストカード。一切使わずじまいになってしまった。 ちなみに、キム・ユンソプの個展はまだ開催の見通しは立っていない。日韓の人的往来が可能になってから、と考えているので、来年(2022年)の開催もちょっと難しいのではないかと見ている。 閑話休題。会期延期となったKYOTOGRAPHIEおよびKG+の9月・10月開催が発表されたこともあり、ゲリーの個展も当初はそこに合わせて、と考えていたのだが、これは完全に見通しが甘かった。東京オリンピックが延期されても、ウイルスが弱まると言われていた夏が来ても、コロナは収束の気配すらなく、海外からの渡航など夢のまた夢。仕方なく再延期。この頃にはこのコロナ禍がそう簡単には収まりそうにないことははっきりしてきていたので、では改めていつやるかというスケジュールは未定・白紙のままだった。 助成金については、フランドル政府と何度かやりとりしたのだけれど、そのフレキシブルな対応には感心させられた。「コロナで延期してるけど、展覧会は必ず開催します」という内容のレターを送り、それで助成金の執行を先送りしてもらうことができた。過去に例を見ないような事態にあって、過去に例を見ないような対応がきちんとできている。日本の文化芸術行政を基準にして比較するのは全くもって失礼なのかもしれないと思うほど、レベルが違う。個人の感想ですが。とはいえ、際限なく先延ばしし続けるわけにもいかない。 この間、ギャラリーでの展覧会は2020年秋から国内の作家を中心としたラインナップで再開していたのだが、2021年もKYOTOGRAPHIEとKG+が9月・10月開催となったので、ゲリーの個展もそこに合わせて開催することを考えた。もちろん作家には来日してもらいたい。 しかし、ヨーロッパでワクチンの接種が進み、様々な規制がだんだんと緩和されていく一方(ゲリーからは「今日も近所のクラブでパーティーが開催されたよ」などとベルギーの制限緩和を伝えるメッセージが入ってくる)、日本はPCR検査がいつまでたっても普及しないどころか狂気に近い陰謀論まで横行していた。東京オリンピック開催強行で感染の第5波が発生、ギャラリーのある京都の隣県(そして僕の自宅のある)大阪は人口あたりの死者でダントツの全国最悪を記録し、外国人の渡航は禁止されたまま(日本人帰国者はOKなのに)、という地獄のような状況が続いた。 いつまでもコロナの感染拡大の波に付き合って開催延期を繰り返していても埒が明かないので、妥協策として、作品だけ京都に輸送して展覧会を開催しようということになった。フランドル政府も、渡航費助成については当面のところ保留という扱いにしてくれることになった。そして、ようやく、1年半越しに「意図せぬ因果関係」の展示が実現することになった。 *** コロナが収束し、日本とヨーロッパの間で自由な渡航が再開されたら、今度はゲリー・デ・スメットが制作の中心に据えている絵画の展覧会を改めて開催したいと考えている。それがいつになるのか、今のところ見通しは全く立たないけれど、ここでは「乞うご期待」とだけ言っておくことにしよう。 (2)につづく
by hrd-aki
| 2021-11-16 23:28
| ギャラリー
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