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「Interface」展の作家・作品紹介気がつけば2023年ももう3月。いつもよりも会期の短い「Interface - 界面 -」展はあっという間に最終週、実質残り1日となってしまった。なので、かなり遅ればせではあるものの、出品作家と展示作品について駆け足で紹介と解説をしておこう。 この展覧会は、コロナパンデミック直前の2020年2月に開催した「Framework」展の第2弾、続編的な位置付けで、その時の作家4名(日本の須貝旭、韓国人のキム・ヒョングァン、イ・ジュンヒョン、チャン・スジョン)に栗原亜也子が新たに加わった、5人の作家によるグループ展だ。ただし今回、3人の韓国人作家の作品は、3年前の展示とはかなりスタイルの異なる作品となっているので、前回の展示を見ている人でもなかなか今回の展示と結びつかないようだ。そこで、「Framework」展の展示作品にも触れながら、作家ごとに紹介していこうと思う。 では、まずはキム・ヒョングァン。前回はモデリングソフトを使って作成した建築的3次元オブジェを出力した「絵画」を展示していたが、今回は「Interface」の「face」、すなわち顔をテーマにした4点の作品を出品している。2点の《Untitled》は、カーボン紙を使ってギリシャ彫刻の頭部をトレースしたドローイングで、2つの違う人物像を重ね合わせ、機械的に線をなぞっていくことで作家性をぼやけさせている。また《medusa》と《bearded man》はアクリル絵具を入れたビニール袋の端を切って中身を紙の上に垂らすことで描いた、というか描かなかった作品で、コントロールできない液体の物理的な動きと作家の意図とのせめぎ合い、そしてできあがった模様が顔のように見えてしまうという鑑賞者の視点をも取り入れた構造になっている。キム・ヒョングァンは自らの制作を「アンチ・ペインティング」と規定している。描かないことによる絵画、とでもいうような感覚なのだろう。 キム・ヒョングァン《Untitled 2》(左)と《Untitled 1》(右) キム・ヒョングァン《bearded man》(左)と《medusa》(右) イ・ジュンヒョン《untitled》(どちらも) イ・ジュンヒョン《untitled》の細部 チャン・スジョン《constitution of the 12th》 《constitution of the 12th》のためのコードもプリントアウトして展示している 須貝旭《de cometis 1698》 須貝旭《for an observation 1》の細部 最後に紹介するのは、「Framework」には出品していなかった作家、栗原亜也子。「オセロペインティング」で知られるHRDではお馴染みのアーティストだが、今回は写真とオセロペインティングを融合させた新シリーズの作品を初めて発表している。身の回りの風景の中のフェンスや格子戸などのグリッドをポラロイドカメラで撮影し、それをオセロの盤面に見立てて、オセロゲームの痕跡をアクリル絵具の小さなドットで積み重ねていく。横から見ると極小の積み石や蟻塚のようにも見えるその「絵画」は、ポラロイドフィルムに焼き付けられた風景を浸食し、撹乱し、あるいは風景に寄り添い、昇華させている。 栗原亜也子《グリッドの中の風景》シリーズより 栗原亜也子《グリッドの中の風景》シリーズより 展覧会タイトルの「インターフェイス」「界面」は、アートを通じた日韓の交流を意味する言葉でもあり、また作品と鑑賞者との間の相互作用の場でもあり、またそれぞれのアーティストが世界を解釈しようとする接触面でもある。展覧会全体としても、また個々の作家・作品のレベルでも、キーワードとしての「インターフェイス」を読み取っていただくことができる展示になっているので、残り少ない会期だけれど、是非お見逃しなく。
by hrd-aki
| 2023-03-03 18:29
| ギャラリー
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