京都・鞍馬口の現代美術ギャラリーHRD FINE ART(www.hrdfineart.com)のディレクターによるアート関係諸々ブログ。時にはアートと無関係な話題もあります。気が向いたら更新。
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奈良でシュルレアリスムへ誘われる

奈良県立美術館で開催されている「シュルレアリスムへの誘い 〜幻想・奇想・夢〜」を見てきた。
閉館30分前、入館受付時間ギリギリに入って、来場者は僕ひとり。館内ボランティアスタッフたちの視線の集中に居たたまれず(というのは思い過ごしだろうけど)、15分くらいでひととおり見て退散した。実のところ15分でも十分じっくり見た感じ。駆け足で展覧会を見る癖がついてしまっているにしても。

「奈良県立近代美術館が所蔵する近・現代コレクションの中で、シュルレアリスムを推進した日本人画家たちの作品や、シュルレアリスムから影響を受けた作品、さらにはシュルレアリスムから派生した抽象表現主義の作品などに焦点を当て、その豊饒なる心象風景を展観していただこうとするものです」と作品解説パンフレットにあるように、特別展とはいってもコレクションからのセレクション展だし、正確にはタイトルに「日本の」というただし書きを加えなければならない。
むしろ、こうしたテーマに絞っても全館で企画展ができてしまうのだから、この美術館の収集方針が少なくともある時期には日本のシュルレアリスムにフォーカスしていたということだろうし、別の言い方をすればそういったトレンドがそれなりの長い期間にわたって日本の近現代美術を支配していたのだとも言える。

そんな「日本のシュルレアリスム」に位置づけられる作品は、見るからにデ・キリコ風の六條篤(この人は奈良出身なので「郷土作家枠」での収蔵か?)とか、「ダリっぽいなあ」というような古沢岩美をはじめとして「なんとなく思わせぶり」な表現が目白押しで、作品の前に立ち止まらせるような力は正直ほとんど感じない(ちなみに古沢岩美の「桜島」という作品には「小品ながら幻想と官能が交錯する古沢ワールドが遺憾なく発揮されている」という、わかるようなわからないような解説がついている)。美大の卒業制作展を見に行くと、油画日本画問わず必ずこの手の作品を相当数見ることができて、その意味では「思わせぶり」は日本の絵画表現に脈々と息づくひとつの伝統なのかもしれない、などと思ったり、韓国の昨今のコンテンポラリーアートマーケットでもこういう感じの作品は多いから、あるいは東アジア的近代に根ざしたものなのかなと思ったり。

間違いなくある一時代を画した「日本のシュルレアリスム」から、今の現代美術マーケットに見られる絵画群に向けて、どのような線が引けるのか。あるいはそこにはどんな線も結べない深い断絶があるのか。そのへんの「今」につながる再評価・整理の視点があればいい展覧会になるのになあ、と思いながら早足で通り過ぎようとした最後の展示室に津高和一の作品がいくつかあって、それだけでも個人的には見に行ってよかったと思ってしまったのだった。

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ポスターに使われているのは古沢岩美の「壁」(1950年)。

***

シュルレアリスムへの誘い 〜幻想・奇想・夢〜
奈良県立美術館
2009年6月6日〜8月30日
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by hrd-aki | 2009-06-26 01:28 | レポート
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