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熊本・河原町のこと
熊本市の河原町と呼ばれる一画は、もとは繊維問屋街として栄えていたところだという。今では問屋や店舗はほとんどすべて姿を消し、シャッター商店街も通り越して半ば廃墟のような趣も漂っている。レンガやコンクリートブロックを使った、建築史的にも産業史的にもおそらく面白い史料となるであろう長屋風の建物が狭いアーケードを形成し、ひとつひとつの店舗の間口は小さく、ほぼすべて2階が住居として使われていた。見上げると、プラスチックの波形トタンをいい加減につなぎ合わせた天井=屋根がなんとも頼りなく、同時にたくましくも見え、この場所が経てきた歴史を物語っている。
「今では」と書いたが、「半ば廃墟」というのは今から5、6年くらい前までの話で、その頃から河原町はいわば第二の人生を歩み始めたといっても過言ではないと思う。ギャラリーやクラフトのショップ、アーティストの工房やアトリエが入居しはじめ、かつての問屋街はそのゲニウス・ロキ(地霊)を汲み取りながら「クリエイターの街」として新たな装いをまといはじめたからだ。 11月に荻野夕奈の個展を開催するギャラリーADOはこの河原町にあり、位置的にも機能的にもその中心となっている。オーナーの黒田さんは、河原町のアート活動を推進する「河原町文化研究所」を率いる中心人物だ。ここももともとは衣料品の卸問屋兼住居だったところで、現在は1階はカフェバー、居住スペースだった2階が展示スペースとなっている。 熊本市立現代美術館という良質な現代美術館があるにもかかわらず、市内には河原町以外に現代アートの企画ギャラリーはほとんどないというし、熊本も(日本の他の場所と変わらず)現代美術やアートが盛んな土地柄ではないようだ(そんな土地がいったい日本に存在するのかどうか、そもそも疑問だけれど)。「アートっていうとそれだけで敬遠されてしまうところがあるから、カフェとして営業することでとにかく敷居を低くして、まずは入口としていろんな人に興味を持ってもらいたかった」と黒田さんも言う。そんな狙いは着々と成果を挙げつつあるようで、今年8月にはインスタレーション作家の大巻伸嗣を招いてアートイベントを開催するなど、「クリエイターの街」の活動は奥行きと広がりを増している。 何よりもこの場所に染み着いた歴史、そしてほとんど問屋街という機能だけを果たすためにつくられ、今ではその機能を剥奪された建築の持つ力は、他では得難いものだろう。僕は9月にここを初めて訪れたのだけれど、現代アートの舞台として大きな可能性を持った場所だと思った。そんな場所で荻野夕奈の作品がどのように見えるか、またどう見せられるか、今から楽しみだ。 レンガやコンクリートブロックの建物。 中はこんな感じ。 ギャラリーADOの1階、カフェバーのスペース。 展示室内。上薗隼という彫刻作家の個展が開催中だった。鉄や廃材を使ったインスタレーション展示で、立体的な空間の活かし方が印象的。 *** 河原町のウェブサイト http://www.kawaramachi.net/
by hrd-aki
| 2009-10-16 23:52
| 雑感
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