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「料理中華」展(と本格水餃子)
京都精華大学ギャラリーフロールにて開催中の「料理中華」展のオープニングレセプションに行ってきた。「中華料理」ではなく「料理中華」。
中華圏・中国語圏出身で、日本に滞在し、学び、生活を続けている作家たちによるグループ展。北京や天津、福州などメインランド・チャイナに加えて、マレーシア出身のアーティストも「チャイニーズ・アーティスト」として参加している。精華大学の映像コースの留学生が中心となって組織した展覧会ということもあり、映像やインスタレーション、インタラクティブ型の作品展示が中心だった。 参加アーティストは、水都大阪でも映像インスタレーションを発表していた「新視角」のメンバーでもある呉鴻(Wu Hong)、また先日見た写真のグループ展「窓の表面」展にも参加していたマレーシアの陳維錚(Tan Juichen)など7名。それぞれに、決して既視感のある「中国的」という括りにははまらないような(これは写真や絵画の展示がほとんどなかったこととも関係があるだろう)、しかしそれでいて日本人のアーティストとは異なる身体感覚や視覚言語を備えた表現で興味深いものだった。 それ以上に、中国語、あるいは中国語文化を共有するという意味での「チャイニーズ」という枠で「在日外国人」(この言葉が朝鮮半島出身者を強く想起させる政治性を帯びているとするならば、「滞日外国人」)のグループをつくり、作品を展示するという展覧会そのものが刺激的な試みだと思う。面白い文化論的言説がここから生まれてくるのではないだろうか。 「華僑」「華人」という呼び名が示し、また世界中のあらゆる大都市の「中華街」の存在からも容易に理解されるように、中国人はそのコミュニティを全世界に広げ、同時に常に強い連帯によって固有の文化を守り継承し続けている。強固なルーツの存在とそれに対する意識と、異文化に交わりその中で同化して生きて行くということ。このふたつの相反する要素がアートの表現にもたらすものは何なのか。個人として生きているということと、(言語圏、国、都市、年代、出身校など)様々なレベルのコミュニティの中に所属しているということは、作品発表の中でどのように咀嚼され、整理されているのか。また外部からの視点はそれらの「政治的」な要素にどれだけ左右されているのか。 福岡アジア美術トリエンナーレの項でも書いたように、アーティストが自分自身のバックグラウンドをどこまで自覚的に作品制作に取り入れているかという問題と、作品を鑑賞し受け取る側がアーティストのバックグラウンドと作品そのものとをどの程度結びつけて把握するかという問題は、似ているように見えて全く違う地平にある。それは単なる批評性の問題にもとどまらない。 オープニングレセプションでふるまわれた手づくりの非常に美味な水餃子を食べているときはそんなことは思いもしなかったけれど、本来エスニックな「本格」水餃子も「日本」の食文化の一部として当たり前においしく食べられる「日本人」は、この微妙な論点に対してアプローチするのにふさわしい、歴史的・文化的に便利な立ち位置にいるのではないか、とふと思ったりしている。 *** 参加アーティストによる、中華鍋や庖丁、ミキサーなどを使ったサウンドパフォーマンス。「中華料理」に対するオマージュ、またはセルフパロディ? Tan Juichenの作品展示。 *** 「料理中華」展は年末年始の休みを挟んで1月5日から9日までの開催。 「料理中華」展のウェブサイト http://project-noa.com/cac/
by hrd-aki
| 2009-12-28 22:08
| レポート
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